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ジョン・レノンの隠れ家だったストロベリー・フィールズというのは、孤児院なんだ。


 ロンドン日記6 yamaken 6月18日(水)08時53分47秒

 16日の月曜日は、リバプールに行って、あちこち回ったんだ。ジョンと ポールの家や、彼らが初めて出会った教会や、学校にね。ストロベリー・フ ィールズ(孤児院)とペニーレーンにも行った。でもいちばん感動したのは、 ジョンが通ったアートスクールの、カフェテリアがあった場所だな。ポール の学校が隣にあって、彼はよくそこへ忍び込んではジョンといっしょにラン チを食べてたらしいよ。アートスクールの人がすごく親切で、学校中を案内 してくれたんだ。そういや、この学校の教室には20台以上のコンピュータ があってね、その全部がMacintoshだった。  リバプールはすごく荒廃した港街で、不況だからあちこちの建物が崩れか けてるんだ。ジョンのアートスクールの回りのストリートにも、使用済みの コンドームやその袋、女物の下着や大麻の吸い殻、ドラッグを入れる小さな セロファンの袋なんかが落ちてるんだよ。まだ明るいうちから娼婦の姿がち らほらしてるしね。  ビートルズのメンバーが若い頃は、すごく捨て子が多かったという話も聞 いた。ダートフォードなんかより、こんな街で生き抜いていくことのほうが、 遥かにハードだったに違いないと思った。ビートルズや、あるいはジョンや ポールの音楽がどこか悲しいのは、そんなハードさが身に染みついているか らだろう、とぼくは思ったよ。  そして今日(17日の火曜日)は、チェルトナムにあるブライアン・ジョ ーンズのお墓参りにいってきたよ。いい天気だったよ。ピンクのバラを供え て、それから線香のかわりに煙草を供えてきたんだ。しかし、27歳で死ぬ なんてね。ブライアンは、やっぱりぼくの最大のヒーローだな。でも、彼の ほうがずっと年下になっちゃった。

 今日は、夕食の間も、ずっとブライアンのことばかり考えていたな。  そうそう、ロニー・レーンのポスターを、どこに貼ったと思う? あの真 っ赤な2階建てのバスに貼ったんだ。黒人の運転手さんも、けっこう年配の 女の車掌さんも、ロニー・レーンが亡くなったことを知っていたよ。ポスタ ーの中のロニー・レーンは、三つボタンのスーツで決めて、鋭いいい顔をし てる。同じポスターを買って帰るつもりなんだ。

 明日は、またロンドンを離れて、ジミ・ヘンドリクス最後のライヴで有名 なワイト島へ行きます。  山川健一


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